ワグナスとロックブーケ
今、この瞬間。彼女が皇帝に破れた。

その事実を知った。

いつかは訪れるであろう事はとっくに覚悟していたハズだった。

だが、だからといって、その悲しみが軽減される訳ではない事を知った。

今さらながらに後悔をする。

どんなに罵られても泣かれても、連れてくるべきではなかった。
いや、最初から巻き込むべきではなかった。

いやそもそも・・

「会わなければ良かった、なんてそんな悲しい事を考えないで」

虚空聞こえたのは亡き人の声。

振り返ると、彼女が・・・いや、彼女の記憶の残滓というべきか・・
が立っていた。

手を、伸ばせば触れられたかもしれない・・
でも、出来なかった。


「貴方は私を不幸にしたと、思っているのですか?
だとしたら、それは間違いですわ。
貴方とともに在ることが私の幸せだったのだから」

そう、告げた彼女の表情は笑っていた・・いや、泣いていたのかもしれない。

「いえ、私だけではなく、兄様もスービエ様も皆
あなたの事を恨んでなんかいないわ」

その言葉とともに、姿は消えた。
あとに、残ったのは変わらぬ虚空。



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す、すみません・・・

2008年11月3日
もう帰る
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